平成29年度卒業式 平成30年度入学式 同窓会長挨拶

【平成30年3月6日 平成29年度神代高校卒業式】

皆さんこんにちは、銀杏会の藤森です。本日はご卒業おめでとうございます。
 銀杏会の2万有余名を代表してご卒業の祝辞を述べたいと思います。
 今、2万有余名と申しましたが、皆さんが本日受け取られた卒業証書に一人ひとりの番号が明記されています。味気ないものです。でも証書とはそう言うものです。ただの紙でしかありません。その紙に意味を持たせるのが皆さんの元気であり個性なのです。
 そして、証書をしっかりと包み込むものが銀杏会から寄贈させていただいた証書ホルダーです。大事にしていただければ一生保管できるものです。私どもが心を込めてお送りした証書ホルダーを、証書とともに大事に保管してください。銀杏会は音楽祭の時には生花を贈りました。神高祭では同窓会の写真倶楽部と、漫画研究会(間違っていたらごめんなさい)の方々と同じ部屋で発表会を行いました。大変感動的な発表になったと思います。昨年の書道部との発表もそうだったのですが、50年ぐらい前の神高の様子などもまとめたDVDも好評でした。これからも続けて行ければと思っています。
 皆さんは将来、大学や専門学校、就職などを経て社会へと飛び出して行くわけですが、その第一歩がとても大事になってきます。踏み出すことに躊躇したり躓いたりして、一生その重荷を背負い続けてしまう人もいれば、何のためらいもなく踏み出せてしまう人もいます。その差が何から生まれるのか分かりませんが、私は人と人との思いやりではないかと思っています。自分だけのことを考えていても前には進めないし、人の事だけ考えても良くない。お互いの思いやりから踏み出すきっかけがつかめると思います。
 私はいま訪問介護の仕事をしていて、午前中に2件、済ませてきました。2件目は統合失調症という精神疾患の方です。自分のお父さんを介護していますが、部屋は散らかしっ放しでチラシがいつも部屋中に散乱しています。でも、彼はどこに何があるか分かるので、そのままにしておいてくれ、動かしたら訳が分からなくなってしまうと、いつも言います。私は、チラシは新聞と一緒にその時の用事が済んでしまえば処分すべきだと言うのですが、彼にはその意味が分かりません。
 私は、彼の病気と、彼が言う意味の両方を受け入れながら、仕事を進めてゆかなければなりません。そこには私と彼の2人の世界があります。ケアマネージャーや仕事仲間とも問題を共有して、よりよい対応策を考えます。詳しくはここでお話しできませんが、言いたいのはお互いを信じ、思いやりを持って接して行くと言うことです。銀杏会は皆さんを信じています。勇気を持って一歩を踏み出してください。保護者の皆さん、教職員の皆さん、卒業生を信じてあげてください。本日は誠におめでとうございました。
(神代高等学校全日制銀杏会 会長 藤森精太郎)


【平成30年4月10日 平成30年度神代高校入学式】

ご入学おめでとうございます。卒業生2万数千名を代表して祝辞を述べたいと思います。
 私も皆さんと同じように50数年前入学しました。当時は仙川駅改札口からすぐ右に折れ、商店街を通って桐朋学園を過ぎ本校に至りました。神代書店は当時もありましたが、その先にあった工場は「島忠」になっています。駅前一帯も開発され、飲食店やら劇場、スーパー銭湯まである大きな町に生まれ変わりました。わが校もリフォーム中で東京オリンピック-パラリンピックまで続きます。銀杏の木も間もなく伐採され、屋上に緑の庭園がある校舎に変わります。皆さんが卒業される頃には校舎が完成予定と聞いております。その間落ち着かれない日々が続くと思いますが、皆さんの元気さと前向きな姿勢で乗り越えていって欲しいと思います。
 銀杏会は広報誌「銀杏」の発行やホームページを通して皆さんとコミュニケーションを図りながら、部活の援助、受験対策本の購入、神高祭への参加、音楽祭への生花や卒業式の証書ホルダーの贈呈などで母校への熱い思いを実現しております。ホームページは神代高校銀杏会で検索できますので、ぜひご覧になってください。
 卒業生の中には原子力規制委員の23期石渡明さん、芥川賞作家18期の高橋三千綱さん、漫画家で「孤独のグルメ」作者の29期久住昌之さん、女流プロ棋士の49期中倉宏美さん、同じ棋士で女流王将を2期務めた63期香川愛美さん、最近ではケラケラというポップグループの女性ボーカリスト・メメさんなども含まれます。その他各界で大勢の方が活躍しておられます。これらの方々も初めは期待と不安でいっぱいだったことでしょう。3年間を通してご自分の基礎を作りつつ、新しい社会へのステップとして挑戦していってください。
 これから先輩たちが披露される校歌は、作詞作曲とも卒業生の公募の中から生まれたものです。「飛鳥の昔さながらに~」と歌われる中に、「責任ある自由」という厳しさ、武蔵野大野(おおの)に育まれたおおらかさが同居しています。しっかりとお聞きください。高校生といえば、最近はおおぜいの方が活躍されています。将棋の藤井聡太さん、水泳の池江璃花子さんなどなど。皆さんの中からも多くの方が活躍されることを願っております。
 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます、これからも子供たちを見守っていただきたく思います。教職員の皆さん、共に手を携えて高校生活が楽しめるように頑張りましょう。
(神代高等学校全日制銀杏会 会長 藤森精太郎)


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